役職はなし、約半世紀所属するメンバーも
金沢吹奏楽団の練習場所は長浜ホールなどで、金沢区と磯子区をメインに活動中。土日の夜か日曜の昼に、週に1度の練習。チャリティコンサートと定期演奏会の年に2回公演をしています。
アルトサックス(ジャズにもよく使われる中音〜高音域木管楽器)の西尾さんは、中高と吹奏楽部で、10年間のブランクの後に金沢吹奏楽団に入団。25年以上活動を続けています。チューバ(大型の低音域の金管楽器)の寺田さんは、中学の時に吹奏楽部でトランペットを担当し、社会人になってからチューバを購入したそうです。中学生の時に金沢吹奏楽団に入団し、約半世紀もの長い間所属しています。
お二人に「吹奏楽団を長く続けるコツはなんですか?」と伺うと、「合奏が好きで音楽が好き」と返ってきました。音楽が好きなだけではまだ足りないのでしょうか。
金沢吹奏楽団の特徴は、年齢や性別など関係なく活動しているという点です。

23回目のチャリティーコンサート
2024年11月2日に23回目のオータム・チャリティー・コンサートが横浜市金沢公会堂でありました。チャリティーコンサートは、22年前の12月、金沢区の地域活動ホームとして建設が計画されていた能見台「りんごの森」を応援するために、第1回が開かれました。
当日足を運ぶと、「障害児者 いきいきネット」や金沢地域活動ホーム「りんごの森」の方たちがお手伝いをしたり、演奏を聞いたりしていました。地域の障害者福祉とも連携しているようです。座席もかなり埋まっていました。
金沢吹奏楽団の本番は技量が高く、アマチュアとは思えないほどの演奏を披露してくれました。特に第一部の3曲目「『GR』よりシンフォニック・セレクション」のピアノの演奏はとても綺麗で、低音のみの部分は非常に迫力がありました。
客席には年配の方も多くいらっしゃっており、地域に愛されている吹奏楽団だと感じました。

音楽は生涯続けられる最高の趣味
西尾さんと寺田さんは、「音楽は一生続けられる最高の趣味だ」と話します。老若男女問わず楽しめて、周りの音を聞き、運動能力も鍛えられる。これ以上の趣味はないと語っていました。音楽は世代を問わず、言葉も必要もありません。
寺田さんは中学での入部当初は打楽器希望でしたが、ジャンケンに負けてトランペットになったそう。私も、中学生の時は吹奏楽部に入っていて、当初の希望とは違う楽器を担当していました。しかし、担当していくうちにその楽器のことをどんどん好きになりました。最初、楽器のことを何も知らないとソロの多い楽器や高音楽器に目がいきがちですが、音楽を続けていくうちに中低音の楽器の良さがわかってくる。そんな心境の変化もまた醍醐味。寺田さんが、チューバとしてどっしりと金沢吹奏楽団を低音から支えている様子が取材の中でも伺えました。

金沢吹奏楽団さんの二人に貴重なお話を聞けたことも、チャリティコンサートの当日に素敵な演奏を聞けたことも、なかなか日常生活ではできないことで、貴重な経験でした。
次回の定期演奏会は、2025年6月の開催予定です。団員も募集中なので、関心のある方はぜひ問い合わせてみてください。
写真・文:小沢真里江
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金沢吹奏楽団