私たちは、ものづくりを支える「検査」と「計測」の専門企業である IHI検査計測(IIC) を訪問し、現場での技術や仕事の流れについて学びました。普段は目にすることのない装置やプロセスを間近で見ることで、社会の安全を守る仕事の重要性を強く実感する見学となりました。本記事では、学生目線で印象に残った技術や仕事内容、そして質疑応答の内容をまとめ、検査計測の最前線をご紹介します。

見学の概要

冒頭では、IHI検査計測が提供するサービスや装置について説明を受けました。同社は社会インフラ、製造業、航空、発電プラントなど、幅広い分野で検査・計測技術を提供しています。特に印象的だったのは「目に見えない異常を“見える化”する技術」という言葉です。建物や設備の老朽化が進む中、事故を未然に防ぐためには、細かな変化を正確に検出することが不可欠であると改めて感じました。

社員の方によると、検査計測の仕事では理系の知識だけでなく、観察力・論理的思考力・丁寧さ・コミュニケーション力が求められるそうです。現場では単にデータを見るだけでなく、「なぜこうなるのか」「どのように判断するか」を常に考えながら作業を進める必要があります。

普段は触れない検査の世界を、まずは座学でインプット

印象に残った体験

最も印象深かったのは、空港や公共施設で使用されるX線手荷物検査機の操作体験 です。モニターには物体を透過した画像がリアルタイムで表示され、形状や危険性に応じて色分けされた映像を見ることができました。普段は通過するだけの検査機を、裏側でどのように動かし、どのように映像が生成されるのかを体験できたことは非常に新鮮でした。検査装置が単なる機械ではなく、蓄積された知識・技術・ノウハウによって成り立っていることを実感しました。

普段は通るだけの検査機の裏側を教わりました
映し出される色分け映像で、危険物の判別方法を学ぶ

続いて体験したのは、材料の材質を瞬時に判別する PMI(Positive Material Identification) のデモです。ピストルのような形状の検査器を使い、海外の硬貨の材質を調べました。トリガーを引くと計測が開始され、数秒で材質名や成分比率が表示されます。PMIは製品の品質保証に欠かせない技術で、レーザーや蛍光X線を利用して金属材料の組成を分析する仕組みだそうです。

金属材質を瞬時に判定するデモを体験

質疑応答で印象に残った回答

Q:最もコストがかかるサービスや装置は?

高度な技術を必要とする非破壊検査装置や、大型設備の定期検査に大きなコストがかかるそうです。

Q:AIやデジタル技術の導入状況は?

異常検出の効率化や分類作業の自動化に活用されており、人間の判断をサポートする役割が大きいとのこと。

Q:若手に求められる資質とは?

「好奇心」「丁寧さ」「報告・連絡・相談ができること」が最も大切だと強調されていました。

Q:現場での苦労や楽しさは?

天候や環境に左右される作業もあり大変だが、検査結果が製品の安全に直結するため「やりがいは大きい」との回答が印象的でした。

見学を終えて

今回のIHI検査計測の見学を通じて、検査・計測技術が社会の安全を根底から支えている重要性を強く実感しました。手荷物検査機の操作やPMIのデモを体験する中で、現場では高度な技術が正確さと迅速さを両立させていることが分かりました。また、AI活用やデジタル化など新しい取り組みも進められており、技術者の方々の向上心や丁寧な姿勢が印象に残りました。普段は見えない領域ですが、品質と信頼性を守るための努力を知り、検査計測の重要性を改めて理解した見学となりました。

検査・計測の現場を深く学ぶことができました

【取材・文】

関東学院大学 堀田研究室

岩瀬 銀河、内藤 勇成、福部 維吹、周 正

【協力】

株式会社IHI検査計測