LINKAI横浜金沢のものづくりの魅力発信「Aozora Factory」

今や「Aozora Factory」と聞くと、知っている!参加したことがある!という金沢区の方、他区の方も多いのではないでしょうか。

Aozora Factory発足のきっかけとなったのが、2015年の産業団地内のイベント「PIAフェスタ」の集客企画の依頼でした。横浜市立大学の学生さんと「だるまさんがころんだ」のギネス記録に挑戦という内容を企画。人気ユーチューバーからの協力もあり、750人以上もの若者が集合し、ギネス認定にも成功しました。そこから多くの方の信頼や賛同を得られ、Aozora Factory始動にむけて動き出しました。

LINKAI横浜金沢をはじめ金沢区には優れた「メイドイン金沢区」の製品あるいは製造業がたくさんあるのに、まだまだ知られていない、もっと知って、見て、体験してほしいと、親子向けの体験型ワークショップイベントをこれまで数々開催しています。

泥亀公園で開催された2020年の屋外イベントAozora Factory
2020年の屋外イベントAozora Factory@泥亀公園

2020年11月には、金沢区の泥亀公園(金沢公会堂前)にて、第7回目となるワークショップイベント「Aozora Factory」を開催。ペーパークラフト、釘打ち体験、「廃材不織布を使ってミサンガを作ろう!」編み方体験など、6つの体験型ワークショップを含む12ブースを設置しました。感染症対策のため持ち帰り型で、簡単な体験を含む各ブースの会場滞在時間を約10分以内で完結させました。イベントは約500人が参加し大成功を収めました。

翌年の2021年11月20日も、泥亀公園で第8回Aozora Factoryを開催。18ブースでワークショップを実施し、来場者数は1,000人を超え、さらに盛り上がりを見せました。

Aozora Factoryに参加した金沢区のマスコットキャラクター・ぼたんちゃん
2021年「Aozora Factory」にて。金沢区のマスコットキャラクター・ぼたんちゃんも
Aozora Factoryに設置されたライオンのオブジェ
Aozora Factoryのブース

また、先日臨海地区で行われたワクチンの職域接種を検討する際には、本多さんに約1,200人規模の接種の開催準備や運営全般を担う依頼が入りました。学生さんや外国人労働者の優先接種、学生さんへのアルバイトの機会提供を行い、臨海地区を知らなかった学生さんにとっては実際に来て、企業を知る初めてのきっかけにもなりました。職域接種を行うことで、臨海地区で働く人々同士の交流にもつながりました。

「社会人と一緒に地域の活動をしたという経験は就活にも役立ちます。それはAozora Factoryや企業としてもCSR活動の一環にもなります」と本多さんは語ります。

ワクチン職域接種会場の様子
2021年9月、依頼により臨海地区「職域接種」運営全般の責任者を担う

ツナギスト・本多さんが巻き起こす化学反応

本多さんは何屋さんですか?とよく聞かれるそう。わかりにくいので肩書に「ツナギスト」を加えたとのことです。本多さんのもとには、「こういう人知らない?」「こんなことをやってほしい」など、数々の相談や依頼が入ります。今や組合の方からも相談を受けたり、不動産の紹介もしたりするそうです。

ただそこに対価は存在しません。「よく紹介料をとったらいいと言われますが、仕事にしたくない、仕事にしたら終わり。『ありがとね!』で十分、そのあとに仕事につながればいいんです」とさらりと言います。

本多さんの人を動かす力は、地域で築き上げた信頼関係があってこそ。大きなイベントや企画も、「できる気しかしない」という圧倒的な自信があり、完璧な準備を行います。運営にも的確な指示があり、参加者はもちろん、出展者・地元スタッフや関係者皆が楽しんで活動をしていて、地域を巻き込んで作り上げる理想のかたち、大きな化学反応が起きています。

だからこそ、本多さんのもとには信頼を寄せる人が集まってきます。それが、人を動かす魅力、誰もが頼りたくなる“ツナギスト本多竜太”を作っているのだと私は思います。「その信頼こそがツナギストとしての対価、本多竜太としての対価、生きる対価」だとも仰っていました。どこまでも格好いい!これからの金沢区になくてはならない人だと感じた瞬間でした。

Aozora Factoryメンバーの記念写真

つながり広がり続けるこれからの金沢区 本多さんが目指すもの

「金沢区には素晴らしい人がたくさんいて、優れた会社や製品やお店もあるのに、情報を拾いにくい。そしてアフターコロナは、もっと小さく隣の人に味噌を借りるような、身近な方々とのつながり、そしてコミュニティができていることが必要です」と本多さんは言います。そのために開設したのが、金沢区の情報発信WEBマガジン「かなざわ区」(http://kanazawaku.jp)です。金沢区の身近な情報を一つの場所で紹介・発信できるWEB版のコミュニティとして、市民ライターや地元大学の学生と連携して運営していきたいそうです。

「よく紹介される観光地だけでなく、例えば近くの公園で小さな座談会をしたりちょっと集まって話したり、お茶を飲んだり、そんな様子を記事にすることで、金沢区ってこんなに面白いと思ってもらえたら嬉しい。どこにも属さない独自の活動として、ここに住む人が今本当に必要な情報、ほしい情報、したいこと、困っていること、ちょっとしたことを紹介・発信できる場をつくりたい。行政でできないことをやっていきたい」。本多さんの熱い思いが伝わってきます。これからの活動が楽しみです。

写真・文=板野 香織

NPO法人Aozora Factory 事務局
(株式会社ヨコハマ機工 内)
〒236-0003 神奈川県横浜市金沢区幸浦2-15-4
https://aozorafactory.com

この記事は、取材の仕方や文章の書き方、写真撮影のコツを学ぶ「金沢区の魅力発見・発信講座」の受講者が、区民目線で実際に取材・執筆したものです。